高血圧検査と方法

血圧の検査の2つの目的

①2次性高血圧を否定すること。

ホルモン異常などの原因の明らかな高血圧症をみつけ出して、手術などで治療できるタイプの高血圧ではないかどうかを調べることです。

②臓器の障害の程度を評価すること。

つまり高血圧によって脳、心臓、腎臓、大動脈などに血管合併症がどのくらい進行しているかを調べることです。まず、高血圧の検査は問診から始まります。

高血圧の問診

高血圧をはじめて指摘された年齢、高血圧の持続期間、高血圧の程度、服薬の有無と内容、それに対する反応性、副作用などについて。
高血圧症状があれば、いつごろからあったのか、程度はどの程度か?
脳卒中、心筋梗塞、たんばく尿、糖尿病、痛風などの既往歴とそれに対する治療歴があるか?
両親や兄弟に50歳以前に発症した高血圧、心筋梗塞、糖尿病、脳卒中の人がいないかどうか遺伝的素因について。
生活習慣について。タバコ、アルコールなどの噂好、食塩摂取などを問診します。また、毎日の運動量や体重の推移などもたずねます。さらにほかの医院で処方されている薬やふだん服用している漢方薬、健康食品などを聞くことにより、血圧に及ぼす因子を問診します。

高血圧の原因をさぐるための検査

血液、尿中の電解質検査

副腎の腫瘍による高血圧では、血液中のカリウム値の異常をきたすので、まず電解質を測定します。また高血圧が腎不全はもとづくものかどうかの判定には血液中の尿素窒素やクレアチニン値をみます。

血液中のレニン活性,ホルモン定量

腎血管性高血圧ではレニン活性が高くなります。また副腎の腫瘍である褐色細胞種では、カテコラミンとよばれるホルモンの分泌が異常に元進しますので、その値を測定することによって診断ができます。そのほかにもコルチゾールなどの副腎ホルモンを測定することによって、内分泌臓器の異常を診断することもあります。

副腎のCT

副腎の腫瘍が疑われた場合には、お腹のCTを撮影することによって診断が可能です。場合によっては、副腎の交感神経に特異的に取りこまれる物質を注射してからシンチグラムをおこなうこともあります。

高血圧による臓器障害や合併症の評価のための検査

心電図と胸部X線検査

心電図は高血圧によって引き起こされる心臓肥大の有無や、動脈硬化によって生じる心筋梗塞の有無を評価するために重要な検査です。また、期外収縮などの不整脈を診断することもできます。胸部Ⅹ線検査は心胸郭比を計ることによって心臓の陰影で拡大を評価することができます。肺動脈のシルエットをみることによって肺のうっ血があるかどうかの評価ができます。

心臓超音波(心エコー図)検査

高血圧が長くつづくと、心臓に負担がかかって肥大してきます。心臓超音波検査では、心臓の肥大の程度を直接画像でみることができ、心臓の重さも計算で算出することができます。さらに心臓の収縮する機能や拡張する機能が衰えていないかどうかをも評価できます。心臓超音波検査で心肥大がみつかった場合には、高血圧の臓器障害が進んだ状態といえるのです。ただし心肥大があるといわれても、治療によって血圧を下げることによって、肥大した心臓が元の状態にもどることもわかっています。

眼底検査

高血圧がつづきますと、小さな血管に動脈硬化が生じて内腔が狭くなってきます。このような変化はとくに脳血管に生じやすいために高血圧の人は脳卒中を起手しやすいのですが、脳の血管を直接診る検査として眼底検査があります。眼底には脳血管と同じ太さの血管が分布して巾るため、眼底を特殊な鏡でのぞくことによって脳動脈の硬化の程度を知ることができるのです。

脳CT・MR画像

重症な高血圧が持続すると、麻痔などの大きな梗塞が現れる前に脳の自質にラクナとよばれる小さな梗塞病変が現れます。このような病変は無症候性脳梗塞とよばれ,将来大きな梗塞を起こしたり、痴呆になる可能性が高いことを示しているとされています。ラクナの数が多いほど夜間血圧が高いことも知られており、高血圧の臓障害の詳細な評価方法として注目されています。

尿検査

高血圧が長くつづき腎臓が障害されると、尿中にたんばく質が出てきます。腎臓障害が強いほど大量のたんばく尿が出現します。たんばく尿は急性腎炎やネフローゼでもみられますので、高血圧の原因を調べるうえでも重要な検査です。尿糖は高血圧に合併することの多い糖尿病を発見するための検査ですが、最近は尿に糖が出ていない軽症の糖尿病でも動脈硬化を促進することがわかってきました。

尿沈査

尿沈査は、尿を遠心分離器にかけて試験管の底に沈殿した赤血球,白血球,円柱などを顕微鏡でみる検査です。ふつうの高血圧ではとくに異常はみられませんが、高血圧が進展してくると赤血球や円柱がみられるようになります。急性腎炎では、赤血球がたくさんみられます。腎臓には尿を濃くしたり、薄くしたりする機能がありますが、腎臓の機能が低下するとこの機能が低下して、尿が薄くなります。腎障害がさらに進むと比重が1.01近くに固定され、等張尿になります。尿の濃縮力は最高比重が1.02が正常です。

血液の検査

血液検査一般血液検査で、高血圧の結果生じる腎臓の機能を評価するものとして血中尿素窒素(BUN)と血清クレアチニン値があります。どちらも、たんばく質の最終的な老廃物が尿から排泄されずにどのくらい血液中に残留しているかをみることによって腎臓の機能を評価するものです。
また、血清ナトリウム(Na)、カリウム(K)、クロール(Cl)などの電解質異常の有無をみます。とくに低カリウム血症がみられた場合には副腎の腫瘍によって高血圧となる原発性アルドステロン症を疑います。漢方薬に含まれている甘草という成分でも低カリウム血症と高血圧を生じる場合があります。また低カリウム血症がみられる場合には利尿薬という降圧薬を長くのんでいるための副作用である場合もあります。低カリウム血症が高度になると、全身のだるさや不整脈が出現します。

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